『人生フルーツ』『さよならテレビ』など数々の衝撃作、話題作を世に送り出してきた東海テレビのプロデューサー阿武野勝彦。自身の体験的ドキュメンタリー論をまとめた書籍「さよならテレビ ドキュメンタリーを撮るということ」(平凡社新書)の刊行を記念して、劇場初上映となる4作品含む計26作を一挙上映。劇場公開作13本による〈東海テレビドキュメンタリー劇場〉、「光と影」「裁判長のお弁当」「とうちゃんはエジソン」など傑作番組の〈セレクション〉、「ガウディへの旅」「ラポールの贈りもの」など阿武野が80年代末から90年代にかけてディレクターをつとめた作品を集めた〈阿武野勝彦アーリーワークス〉など、書籍を読んだら思わず観たくなる作品を中心にセレクト。さらに〈特別上映作品〉として、2019年に放送され話題を呼んだ「樹木希林の天国からコンニチワ」を劇場初公開。入門編としても、NEXT STEPSとしても楽しめるプログラムです。〈東海テレビドキュメンタリー劇場〉はソフト化や配信の予定はございません。ぜひ映画館のスクリーンでご覧ください!
ボクの心の物語をそっとあなただけに…多くの人に観られ、お金にもなるのに、なぜ〈東海テレビドキュメンタリー劇場〉の映画を配信メディアに出さないの? よく尋ねられるこの質問の答えは、「どうせ暫くしたらネットで観られるだろう」というサイクルに入らず、ミニシアターならではのラインナップにしてもらえたら…ボクらの作品を育んでくれた仲間たちへのささやかな恩返しなのです。
過去の作品を広げてくれる喜びを、特集上映に感じながら、タイトルを捻りだしました。「東海テレビドキュメンタリーの押売り」。誰が、誰に、何を、どう押売りするのか、それは謎です。しかし、この「押売り」は、絶対に買いです。間違いありません。なぜって…この大事な時に、ミニシアターに送り出す企画なのですから!!!
1959年静岡県伊東市生まれ。81年同志社大学文学部卒業後、東海テレビに入社。アナウンサー、ディレクター、岐阜駐在記者、報道局専門局長などを経て、現在はゼネラル・プロデューサー。2011年の『平成ジレンマ』以降、テレビドキュメンタリーの劇場上映を始め、『ヤクザと憲法』『人生フルーツ』『さよならテレビ』などをヒットさせる。2018年、一連の「東海テレビドキュメンタリー劇場」が菊池寛賞を受賞。ほかに放送人グランプリ、日本記者クラブ賞、芸術選奨文部科学大臣賞、放送文化基金賞個人賞など受賞多数。2022年1月、プロデュース作『テレビで会えない芸人』を劇場公開。